【売れています!】海外SF短編集おすすめ3選|『逆行の夏』『メッセージ』原作、『三体』作者!

この小説をおすすめしたい人
ウキイタ

今回は海外SF短編集のおすすめ3選!うちのブログで一番売れてる本も紹介するよ!

相方さん

短編集って、長編とどう違うの?

ウキイタ

1話ごとに世界が変わるから、飽きずにサクサク読める!アイデアの秀逸さが最高なんだ!

相方さん

映画『メッセージ』の原作も入ってるんだよね?

ウキイタ

そう!映画とはまた違う深みがあって、めちゃくちゃアメージング!

相方さん

他の2冊も教えてくれ、舞いアソシエイツ♪笑

目次

『逆行の夏』ジョン・ヴァーリイ:天才作家のベスト・オブ・ベスト傑作選…売れています!

きっかけは『スチール・ビーチ』──もっと読みたい、読ませておくれ

SFをたくさん読むんだけど、ジョン・ヴァーリイはホントお気に入りの作家なんです。

きっかけは友人から勧められた『スチール・ビーチ』。若い頃にこれ読んで、もう完全にハマっちゃったんです。

月を舞台にした独創的な世界観──謎の侵略者に地球を追われた人類が、性転換も肉体改造も当たり前になった月面社会で生きる物語。記者の主人公ヒルディは、途中で女性に性転換し、月世界を支配する優しいAI「セントラル・コンピュータ(CC)」の秘密に迫っていく。

スラッシュボクシングやらなんやら、未来のガジェットが次々と登場する予測不可能な展開と、その月世界にすっかり魅了され、まぁーやられましたね笑

で、この作家が大好きになって、他の作品も読みたくなったんです!

『スチール・ビーチ』も超おすすめ!👇

ヴァーリイの翻訳作品ほぼ絶版──この傑作選が唯一の入手手段done.

で、残念ながら──ジョン・ヴァーリイの翻訳作品、依然として多くが絶版なんです。

『スチール・ビーチ』も絶版。創元SF文庫の〈八世界〉全短編シリーズ『汝、コンピューターの夢』『さようなら、ロビンソン・クルーソー』も在庫なし 。長編『へびつかい座ホットライン』も入手困難な状況が続いています。

つまり、中古を探すか、図書館で借りるしかない状態😢。

でも!この『逆行の夏──ジョン・ヴァーリイ傑作選』だけは違う。2015年にハヤカワ文庫から出版されて、Kindleでも、いまでも普通に買えるんです。ヴァーリイの代表作6篇を、新訳・改訳で収録した完全版

もうね、これは読むしかない。ジョン・ヴァーリイを日本語で読める、事実上(ちょっと言い過ぎ笑)唯一の作品集なんですw!

※『へびつかい座ホットライン』これも読みたいな…笑👇

前半はノスタルジックな2作:「逆行の夏」「さようなら、ロビンソン・クルーソー」

この傑作選、全6篇が収録されてるんだけど、前半2作はどこかノスタルジックで切ない雰囲気なんです。

「逆行の夏」(1975年発表)

舞台は水星。太陽が逆回りする〈逆行の夏〉に、クローンの姉が訪れて、ある家族の秘密が明かされる──水銀の湖と洞窟が、太陽の光を照らし返す情景。水星の過酷な環境が、どこか美しくもある世界観に浸れます。技術がどれだけ進化しても変わらないもの。それをSFの舞台で描く、この感覚が好きですね。

「さようなら、ロビンソン・クルーソー」(1977年発表)

冥王星の地下リゾートで、二度目の子供時代を送る少年の物語。謎の女性が現れて、少年の中で何かが変わり始める──「もう少しだけ子供でいたい」という、あの感覚。タイトルの意味が分かったとき、胸がキュッとなるかも…

「バービーはなぜ殺される」:宗教団体で起きた不可解な殺人事件【ローカス賞】

この作品から雰囲気が一変します!

「バービーはなぜ殺される」(1978年発表)

その死体は2246時にモルグに到着した。とくべつそれに注目した者はいない。

こんな書き出しで始まる、とある宗教団体での殺人事件。女警部補アンナ=ルイーズ・バッハが捜査に乗り出すんだけど──この事件、めちゃくちゃ不可解なんです。この宗教団体、ちょっと普通じゃない。詳しくは読んでのお楽しみだけど、捜査が進めば進むほど、常識が通用しない世界が見えてくる。

ミステリとしても面白いし、SFとしても斬新。この設定、よく思いつくなって。

1979年ローカス賞受賞も納得の一作です。

「残像」:コミューンを描いた70年代ニューウェーブの怪作【ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞】

「残像」(1978年発表)

これはもう、怪作としか言いようがない。視聴覚を失った人々のつくるコミューンの特殊な発展と、触れ合う感覚によるコミュニケーションを描いた作品。

SFなんだけど、どこか怪奇小説っぽい雰囲気もあって、70年代のニューウェーブ映画を思わせるような独特の世界観に心を揺さぶられます。閉ざされた空間で生きる人々の、言葉にできない感覚。それをヴァーリイは文章で体感させてくるんです。

1978年ネビュラ賞、1979年ヒューゴー賞・ローカス賞の三冠受賞。この評価、読めば納得します。

「ブルー・シャンペン」:SNS時代を予言した独創作【ローカス賞】

「ブルー・シャンペン」(1981年発表)

1981年の作品なのに、完全にSNS時代を予言してる。脊髄損傷で肢体不自由となり、黄金で出来た外骨格のおかげで自由を取り戻しメディアスターとなった女性の物語。

身体的な「特異性」がコンテンツになる。それを「美」として消費する社会。メディアスターとしての承認と苦悩──これ、40年以上前に書かれたんですよ?Instagram、TikTok、YouTube以前に。凄いですよね!

ラストの切なさも、めちゃくちゃ刺さる。1982年ローカス賞受賞。この先見性、ヤバすぎます。

「PRESS ENTER ■」:傷を抱えた二人の愛と、恐怖の結末【ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞】

ここの傑作選のラストを飾るのが…

「PRESS ENTER ■」(1984年発表)

過去に傷を抱えた50歳のヴィクターと、25歳のハッカー・リサ。二人が愛し合うようになるんだけど、そこに奇妙な現象が起こり始める。コンピューターと人間の境界が揺らぐような、何かが起きている──

人間ドラマとSFホラーが融合して、読んでてちょっとドキドキしました。特にリサのキャラクターが印象的で、彼女の存在がこの物語に深みを与えてる。結末は…言えない。でも、読み終わった後の余韻がなんとも言い難い。

1985年ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞の三冠受賞。ヴァーリイの代表作中の代表作です。

作品データ

本の詳細内容
タイトル逆行の夏──ジョン・ヴァーリイ傑作選
著者ジョン・ヴァーリイ(John Herbert Varley.)
テーマ人体改造、性転換、コンピューターの意識、家族、愛、孤独、コミュニケーション
受賞年「バービーはなぜ殺される」1979年ローカス賞
「残像」1978年ネビュラ賞、1979年ヒューゴー賞・ローカス賞
「ブルー・シャンペン」1982年ローカス賞
「PRESS ENTER ■」1985年ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞
出版社早川書房
発売日2015/7/23
ページ数426ページ

作者プロフィール

ジョン・ヴァーリイ(John Herbert Varley)

1947年8月9日生まれ、アメリカ合衆国の小説家(SF作家)。

1974年に短編「ピクニック・オン・ニアサイド」を「F&SF」誌に発表して作家デビュー。その後1978年までヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞、ジョン・W・キャンベル新人賞に多数ノミネートされながら受賞には至らなかったが、「残像」で1978年ネビュラ賞、1979年ヒューゴー賞、ローカス賞のトリプルクラウンを果たし、以後は受賞の常連となる。

ニューウェーブとサイバーパンクの中間くらいの作風で、未来世界の人々を描きながら、同時代的な意識を盛り込むと同時に、最新科学知識と多量のガジェットを投入する作風が特徴。

ヴァーリイはしばしばロバート・A・ハインラインと比べられるが、女性を活躍させることが多く、男性のハードSF作家としては非常に珍しい。

代表作に『スチール・ビーチ』『へびつかい座ホットライン』などがある。

引用:Wikimedia Commons

『あなたの人生の物語』テッド・チャン:映画『メッセージ』原作──あなたの認識が、世界が変わる!知的興奮の傑作選

30年で20作未満──寡作の天才が放つ完璧主義のSF

テッド・チャンさん、実は専業作家じゃないんです。

本業はソフトウェアのマニュアルを手がけるテクニカル・ライター。ワシントン州シアトル近郊に住んで、フリーランスで働きながら、「書く価値のあるアイディアを思いつかない限り書き始めない」がモットー。

1990年にデビューしてから30年以上──作品数、20篇に満たないんです!

でもね、あらためて経歴を調べてびっくりしたんだけど──発表するたびに、SF界が騒然としてるんです。デビュー作「バビロンの塔」(1990年)でいきなりネビュラ賞受賞。「あなたの人生の物語」(1998年)でネビュラ賞・シオドア・スタージョン記念賞。「地獄とは神の不在なり」(2001年)でヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞の三冠達成。

書けば必ず受賞する──この異常な打率。極端な寡作だけど、えー要は、天才ですね♪

「バビロンの塔」:天まで届く塔の物語【ネビュラ賞】──デビュー作からの衝撃

最初に収録されてるの作品が「バビロンの塔」!

1990年発表のデビュー作で、いきなりネビュラ賞受賞。新人がいきなり…ね♪

旧約聖書のバベルの塔をSF化した作品なんです。登るのに2ヶ月かかる巨大な塔の描写が圧巻。この塔、どこまでも続いてて、登っても登っても終わらない。塔の中には街があって、人々が生活してて、もう完全に別世界。もう、こういう設定は、大の好きです!😆

主人公は塔の建設に携わる技術者ヒラム。彼が頂上を目指して登っていくんだけど──頂上に辿り着いた先にあるものは…?

最初の収録作から、コレですよ!そりゃ、先を読み進めちゃいますよね?笑

表題作「あなたの人生の物語」:映画『メッセージ』原作【ネビュラ賞】──時間と愛のせつない物語

この短編集のメイン、表題作「あなたの人生の物語」。

1998年発表で、1999年にネビュラ賞・シオドア・スタージョン記念賞のダブル受賞。2016年にドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が映画化した『メッセージ』の原作。

映画よりかなり前に原作を読んだんです。たぶん2000年頃。

で、2016年に映画を観たとき、小説の内容はけっこう忘れてたんですよね。同じストーリーを、記憶があいまいなまま、二度体験した不思議な感じ。

言語学者ルイーズと、地球を訪れたエイリアンとのコンタクトだったんですね。映画の内容は覚えているけどね。ルイーズの時間認識が変わっていく様って面白かったです!また、あらためて読んでみるのもいいかもしれませんね! これは再読案件です笑!

「地獄とは神の不在なり」:天使の降臨と災厄【ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞】

いちばん印象に残ってる私の大好き作「地獄とは神の不在なり」!

2001年発表で、2002年にヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞の三冠受賞。

天使が降臨すると災厄が起きる世界──この設定だけでもうヤバい。天使って普通、祝福をもたらすイメージじゃないですか。でもこの作品では違う。天使の降臨は自然災害みたいなもので、祝福と厄災を無差別に振りまく。予測不能で破壊的。

で、この作品、圧倒的なビジュアル感がすごいんですよ!

天使の降臨を追いかけて、トラックに乗った人たちが移動してるシーン。まるで台風を追う研究者みたいに、天使を待ち続ける。「天使降臨ツアー」って感じ?この描写でぶったまげました笑。

あ、こういう作品創っていいんだ!って当時は思いましたね。

作者は無神論者らしいんだけど、だからこそ宗教を「外側から」客観的に描ける。神について考えさせられる作品ではあるけど、それ以上に、この世界観の圧倒的な映像が脳内に浮かぶ感じにワクワクしました!

映画化前から手元に置きたくなる作品集──次は『息吹』も読みたい

この短編集、紹介した3作以外も、まぁー、それぞれ個性的なんです!

「理解」:超人間の意識変容を描いたスリリングな作品。 「ゼロで割る」:1=2を証明してしまった数学者の悲哀。突然終わる衝撃。 「七十二文字」:ゴーレムの伝承とスチームパンクが融合した、いちばんわかりやすくて好きという声も。 「人類科学の進化」:疑似論文形式で描く、人類を超越した存在との共存。 「顔の美醜について」:美醜認識を抑制するテクノロジー。ドキュメンタリー風でユーモアもある。

どの作品も違うモチーフなんだけど、なんと言っても「読んでいて楽しい」稀有な作家です!

わたしが読んだのは2000年頃。ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞受賞と表紙に書いてあったのが、きっかけでした。映画『メッセージ』(2016年)より前から、注目度が高かった作品集なんです。細かいところは忘れても、印象だけは強烈に残る。想像力を掻き立てる、もう一度読みたくなる──そういう傑作選。

日本語で読める短編集は『あなたの人生の物語』と『息吹』の2冊。この1冊でテッド・チャンの世界を堪能できます。次は『息吹』も読みたいですし、絶対読みますw!

※『息吹』はコチラ👇

作品データ

本の詳細内容
タイトルあなたの人生の物語(Stories of Your Life and Others)
著者テッド・チャン(Ted Chiang)
テーマ言語と認識、時間と自由意志、宗教と哲学、人間の知性
受賞年「バビロンの塔」1990年ネビュラ賞
「あなたの人生の物語」1999年ネビュラ賞・シオドア・スタージョン記念賞
「地獄とは神の不在なり」2002年ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞
出版社早川書房
発売日2012/8/25
ページ数422ページ

作者プロフィール

テッド・チャン(Ted Chiang)

1967年10月20日生まれ、アメリカ合衆国ニューヨーク州ポート・ジェファーソン出身の小説家(SF作家)。中国系アメリカ人。

1989年、ブラウン大学でコンピュータサイエンスの学位を取得して卒業。その後、テクニカルライターとして働きながら小説を執筆。1989年のクラリオン・サイエンスフィクション・アンド・ファンタジー・ライターズ・ワークショップに参加し、デビュー作「バビロンの塔」を売ることができた。

極端な寡作で知られ、30年以上の作家活動で作品数は20篇に満たない。しかし「書く価値のあるアイデアを思いつかない限り書き始めない」というモットーのもと、ヒューゴー賞4回、ネビュラ賞4回、ローカス賞6回を受賞している。

無神論者を自認しており、「罪のない人がなぜ苦しまなければいけないのか」という問いに対する満足した答えが宗教の中に見つからないことをその理由としている。しかし旧約聖書やカバラなど宗教的モチーフを作品のベースとして研究し、宗教と哲学をSFに融合させた作品を多く発表。

代表作「あなたの人生の物語」は2016年にドゥニ・ヴィルヌーヴ監督により映画化(邦題『メッセージ』)。主演エイミー・アダムス。「理解」の映画化も発表されている。

2020年から2021年まで、ノートルダム大学のレジデント・アーティストを務めた。またニューヨーカー誌に人工知能などコンピューティングに関するノンフィクションを頻繁に寄稿している。

現在、ワシントン州シアトル近郊のベルビューに在住。日本語で読める短編集は『あなたの人生の物語』(2003年)と『息吹』(2019年)の2冊。

引用:DISTANCE.media

『円 劉慈欣短篇集』劉慈欣:『三体』作者の原点──想像力のるつぼ、傑作短編13篇

デビュー作「鯨歌」から始まる劉慈欣ワールド

この短編集、最初に収録されてるのが1999年発表のデビュー作「鯨歌」!

この作品を試し読みした感想がコチラ↓

ワーナーおじさんは困っていました。南米から持ち出したヘロインをアメリカに密輸して、自分が築き上げた麻薬帝国を再建したいのです。アメリカに留学している末っ子にヘロインを密輸する方法を考えろと命令します。末っ子は見つけてきました。解決できる天才を。

もうね、この書き出しから引き込まれましたね。

ここで、出てくる天才クジラを連れてきて…

映画みたいなストーリーじゃん!デビュー作からこの発想力。書き出しがうまくて、想像力のるつぼって感じ。

でも短いんですよw。正直もうちょっと読みたかった!

この短編集、どの作品も映像がすぐに浮かんできます。中国人作家ならではの独特な世界観、体験したことない感覚に浸れますよ!さすが、『三体』の作者と言えるんでしょう笑!

「地火」「郷村教師」「詩雲」:貧困・格差・使命が交錯する

この3作、どれも壮大なスケールなんだけど、同時に人間の苦悩や使命が描かれてて、読んでてちょっと、グッときました

「地火」は炭鉱労働者と科学者の物語。炭鉱労働者だった父を亡くした主人公が、石炭産業の根本的な改革を目指──。思い切った設定が見どころのハードSF。

「郷村教師」は物悲しい作品。貧しい山村で子どもたちの教育に人生を捧げてきた教師。彼の”最後の授業”が──。教師のパートと、壮大な宇宙のパート。このギャップがあったりして…。味わい深い作品。

「詩雲」は漢詩に魅せられた異星種属が、李白を超えるべく壮大なプロジェクトを立ち上げる話。神様みたいな存在、人間、人間を支配してきた呑食帝国のヤツが出てくるお話。ユニーク大賞ですな笑。

貧困、格差、使命──中国SF独特の社会問題と壮大な宇宙の対比。これが劉慈欣の魅力ですね。

「繊維」「メッセンジャー」「カオスの蝶」「月の光」「二〇一八年四月一日」「人生」:SFのアイデアを堪能

この6作は、まさにSFならではのアイデアが詰まってます!

「繊維」はパラレルワールドの話。多世界解釈を物語にすると──こんな世界観になるんですね。

「メッセンジャー」はアインシュタインをめぐる物語。老人に青年、そしてヴァイオリン…このアイデアが面白い!

「カオスの蝶」はバタフライエフェクト。気象シミュレーションから始まる、小さな変化が大きな結果を生む物語。

「月の光」はタイムトラベルもの。歴史を変える難しさを描いた、これぞSFって感じの作品。

「二〇一八年四月一日」は長寿技術をめぐるドタバタ。遺伝子改造生命延長技術が引き起こす騒動。

「人生」は胎児への記憶形成技術の話。人はなぜ生まれる時に記憶を持っていないか──示唆に富む結末です。

どれもSFのアイデアを堪能できる短編ばかり。テクノロジーと人間の弱点が描かれてて、読み応えありますよ!

「栄光と夢」「円円のシャボン玉」:戦争とシャボン玉、そして救い

「栄光と夢」はオリンピックの話。残酷で愚かな戦争をやめて、オリンピック競技で決着をつけよう──この設定って、実はわたしも考えたことがありました!そう、代理戦争。戦争の代わりにスポーツで決着!作者のストーリーの行方やいかに?…読んでからのお楽しみです笑!

そして「円円のシャボン玉」!
この短編集でわたしが一番好きな作品!😝

砂漠化のすすむ中国西北部の都市。緑化開発に失敗し、やがて消えゆこうとしている都市の未来を憂う父をよそに、娘の円円はシャボン玉遊びに魅了されていく──。

ちょっと、暗い話が多いこの短編集の中で、唯一心温まる作品。科学者は社会を救いたい、そんな想いを描いた良作です♪

表題作「円」:秦の始皇帝と300万の人間計算機──『三体』の原点

そして、この短編集のラストを飾る表題作「円」

円周率の中に不老不死の秘密がある──10万桁まで円周率を求めよという秦の始皇帝の命を受け、荊軻(けいか)は300万の兵による人列計算機を起動した!

300万人ですよ?人間が計算機になる。このスケールw!面白いこと考えますね?

この作品、実は『三体』の一部を土台に2014年に書かれた抜粋改作なんです。第50回星雲賞も受賞してます。

秦の始皇帝が不老不死を求めて──っていう歴史ロマンと、人間計算機っていうSFアイデアの融合。劉慈欣の想像力のるつぼ、ここに極まれりって感じですね!

『三体』読んでないわたしも、この短編集で劉慈欣の魅力は十分堪能できました。全13篇、どれも映像が浮かんで、読んでいて楽しい傑作選です!

うーん、『三体』読もうかな?どうしよう笑

※アジア圏初のヒューゴー賞長篇部門に輝いた大ヒット作『三体』👇

作品データ

本の詳細内容
タイトル円 劉慈欣短篇集
著者劉慈欣(りゅう じきん / リウ・ツーシン)
テーマ科学技術と社会、貧困と格差、使命、人間と宇宙
受賞年表題作「円」2019年第50回星雲賞海外短編部門受賞
出版社早川書房
発売日2023/3/7
ページ数436ページ

作者プロフィール

劉慈欣(りゅう じきん / リウ・ツーシン)

1963年6月23日生まれ、北京で生まれ、3歳の時に山西省の炭鉱の町、陽泉に移り住んだ。

山西省娘子関の発電所でエンジニアとして働くかたわらSF短編を執筆。本業はコンピュータ管理を担当する火力発電所のシステムエンジニア。

中学生のころから創作を開始。1999年、中国のSF雑誌『科幻世界』でデビュー。2006年より、SF雑誌『科幻世界』にて『三体』の連載を開始。08年に単行本として刊行されるや、『三体』三部作で計2,100万部以上のベストセラーに。

2014年にはケン・リュウ訳の英訳版が刊行され、2015年、アジア人作家として初めてSF最大の賞であるヒューゴー賞を受賞

SFに興味を持つきっかけになったのはジュール・ヴェルヌ『地底旅行』で、その後アーサー・C・クラークの『2001年宇宙の旅』で本格的にSFにのめり込むようになった。

劉慈欣の作品は、科学技術で万々歳という内容ではなく、必ず科学技術のもたらす負の側面が描かれる。人間の意図を裏切ってくる科学技術、裏切りの連鎖を経て思いもよらぬ世界へと進んでいく──そうした思考方法を宇宙規模で展開させたのが『三体』三部作。

代表作『三体』は2024年にNetflixでドラマ化。前日譚『三体0 球状閃電』など、日本語訳された作品も増え続けている。現在も山西省の小さな都市で暮らしながら執筆を続けている。

引用:New Scientist

まとめ

いかがでしたでしょうか?😊

今回は、【売れています!】海外SF短編集おすすめ3選として、SF界の巨匠たちが贈る珠玉の傑作短編集ををご紹介しました。

作品名激推しポイント
『逆行の夏』うちのブログで一番売れてます!絶版多数の天才ヴァーリイ作品を日本語で読める唯一の傑作選!
『あなたの人生の物語』映画『メッセージ』原作!30年で20作未満の寡作の天才が放つ完璧主義のSF!
『円 劉慈欣短篇集』『三体』作者のデビュー作から表題作まで全13篇!想像力のるつぼ、中国SF独特の世界観!

この3冊は、それぞれ作風は異なりますが、短編だからこそ味わえる、凝縮されたセンス・オブ・ワンダー」という共通の魅力を持っています。

「次はどんなアイデア?」とページをめくる手が止まらなくなる、フレッシュな刺激

予想外の展開と、読後も長く心に残る深い余韻

長編を読む時間がない人でも、この傑作選ならSFの醍醐味を凝縮して堪能できます。

どれもが「読み始めたら止まらない」作品ばかり。ぜひ、あなたの想像力を刺激する一冊を見つけてみてくださいね!

ウキイタ

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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